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「京都市美術館ネーミングライツ」問題意見交換会②

米山、貴志がまとめたもの



12月14日(水)pm:3.00~ 京都市美術館会議室

「京都市美術館ネーミングライツ」問題意見交換会

美術館問題を考える会:出席17名

市側:文化市民局文化芸術企画課美術再整備担当課長                  

的場靖史 氏

文化市民局美術館総務課長

小石謙一郎 氏

文化市民局美術館総務課担当係長

奥田泰裕 氏

              

質問事項1から5に対しての京都市の考え

ネーミングライツについて・・・美術館(空調設備等)の老朽化、展示スペースの狭さ、時代を行く新たな文化芸術の拠点とし、新しい美術館を目指す。そのための必要な財源確保のため

1、 ネーミングライツは平成20年より導入されている。今始まった問題ではない。

民法上の契約 市長(地方公共団体)が売る権利を持っているが、各窓口と相談して決めている。


2、 市民の税金軽減の為、支援を得やすいネーミングライツの導入(10月6日契約事業者を決定)

経済事情が悪い昨今寄付としては応じてもらえなかった。まとまった財源確保のため特典を付けたネーミングライツの導入を決めた。


3、 新館・・・面積広くなる 職員,学芸員、収入面を含めて現在検討中。


4、 閉鎖期間中の代替施設について・・・情報提供していくつもりである

                   各取り組みを進めている


5、 今まで常設展示できなかったコレクションが、新美術館では伝える事が出来る。


1から5についての質問事項は文章にて明確に答えてもらう―来年年明けに回答


質問:*ネーミングライツの権利―財産権の問題を市長の権限で決めても良いのか

               特典について(優先利用権など)京セラとのやり取りで決めたのか

   *美術館使用料について明確に

  *50億円のお金を分散させるわけて集めるということもなく、1社に求めるということは「厳しい経済事情という認識」とあきらかにずれている。何故、多くの会社や、市民に分散してお金を集めなかったのか,市民参加(寄付)の呼びかけなどはなぜしなかったのか

・・・市―団体個人の寄付があるが建設費用には至らない

   *50年間というのは話し合われた結果なのか,100年1000年でも問題にならないことになる。

・・・市 問題にならないが、50年は建築の耐年年数から

   *常設展、いつでも見られるようにすると言っているが、新美術館ではどこが常設会場か示されていない

    美術館使用料の値上げ、又今まで借りていた美術家たちに説明はなかったのか

     ・・・市 京都市一体となって考えた結果である、別館があるし、紹介もしている

*紹介したいただいたところは使用料が10倍高いところだ。使えない。     

   *美術館敷地内にある展示作品(富樫氏作品など)はどうするのか

・・・市 扱いを含めて検討中です

   *展覧会をした時も案内状に京セラを入れなくてはならないのか、正式名称だけでもいいのか

     ・・・市 検討中です。

   *ネーミングライツ導入にあたって美術館の関係者に意見を聞いたのか

     ・・・市 それぞれの自由な討論というものはない。そのつど意見があれば聞く

     *ネーミングライツが美術家にとって問題なのは、スポンサータブーが機能することだ。その典型が先日、行われた12人の美術家の市長激励活動。京セラを極端に持ち上げ京セラの名前が美術館の冠につくことを首肯できるまで言っている。ここにスポンサータブーこうした権威や権力を利用した圧力は今まで多くの美術家が忌み嫌ってきたことだ。新制作や走泥社は権力や権威に反発してできたものではないのか。

激励文を読み上げた今井さんが「「我々は(命名権売却について)『反対』『賛成』と言っているわけではない。」と言っているのだから本人たちもやらされた感じだ。彼らの肩書を書いて各会派に配って歩く京都市も嘆かわしい。

    市 市民にとって何が望ましいか、代替施設はどうするか、やるべきことはやらなければと思っている。

      京セラとは50億円を含めて引き続き話し合っていく。地下のカフェは見直し中ではあるが基本的なものは変わっていない

     *美術館が間違っているのはネーミングライツに反対している市民の多くは美術家や美術館に来館した事があり美術に興味がある人たちだ。美術館はその人たちによって築き上げられてきたようなものだ。賛成する人たちは税金を使わずに館が建てばそれでよいとした人たちで、美術館を今まで支えてきた人たちとは思えない人たちに依拠しようとしていることだ。京都市が今まで美術館を支えて人たちを無視し、そうでない人たちに依拠して美術行政をごり押しすれば美術館に未来はないでしょう。 

      *日本が文化度の低い象徴になる。京セラはそのことを理解しているのだろうか?

*地下に収蔵庫を作ろうとしているが、文化庁から地下に作るのはよくないという指導がきているのではないのか、

市 地下が全く悪いとは言っていない。文化庁とも話し合いをして決めた。

*その内容を次回詳細に明らかにしてください。



5時まで意見交換を続けたが市が答えられないことも多く、次回1月に再度開催をして解散をしました。

今回の意見交換会で明らかになったことは、京都市がこれまでも美術館に対して冷たくあしらってきたことが分かった。使用料をあげてその分市からの年間負担経費を減らしてきた。H25年からでも負担経費は2分の1になっています。その上、美術館工事中の代替え施設も用意せず、事前の相談も何もあったものではありません。今回の美術館整備計画が美術館や美術家のために進められようとしているのではないと言えます。今回、現代美術館の設立の声がどこから上がってきたのか不明ですし、近年の現代美術の動向は新潟や瀬戸内に見られるように地域住民とともに美術展を作り上げていくことが主流で、京都市でも30年前から開催されている京都西山高原アトリエ村展や10年を迎えた京都高瀬川彫刻展、木津川アートなどが地域住民とともに展覧会を開催しています。これらの企画は今まで美術とかい離していた市民との差を埋める素晴らしい企画です。

このような状況の中でただの箱だけの現代美術館などどこから声が上がってきたのか不明です。また、建てようとする美術館の構想も建ててから細かいところを決めていきますと答弁されますが、細かいところどころか重要なコンセプトも決まっていないのが現状です。ただ、2020年のオリンピック、パラリンピックに合わせて行政の都合に合わせてっていると言うのが実情です。オリンピック前だと資材などが高騰するのは考えられていたはずですが、その時期に工事をするというのは市民に経済的な負担を強いることになりまねません。そのために名前という文化を売り渡す。二重の背任行為ではないでしょうか。我々は身丈に合った美術行政を進めてくれたらよいと考えています。(貴志カスケWrote)



by kyotomuseum | 2016-12-21 15:23 | 京都市美術館ネーミングライツ

京都市美術館ネーミングライツを撤回する運動体です。

by 京都市美術館問題を考える会