2017年 01月 07日
京都市美術館問題を考える会第一号ビラの内容文書
京都市美術館問題を考える会が発行した第一号ビラの文章です。
先輩美術家たちの篤志の結実
京都市美術館が「京都市京セラ美術館に変わる!?」
わたしたちは美術館の売(買)名に同意しない!
京都市美術館は誰がつくったか
「市立美術館」でない理由
京都市美術館は1933年「大礼記念京都美術館」として、京の町衆や作家、財界の浄財で設立されました。米軍占領期を経て、「京都市美術館」と改称されましたが、「市立」とならなかったのは市民や芸術家、財界の寄金で設立されたからです。
計画性なし、市民 芸術家 不在
「建物ありき」の新館建設
美術館整備計画に現代アート展示室を含む新館が組み込まれていますが、学芸員体制や使用規定など何も決まっていません。新館を建てるにあたって、芸術家や市民の意見を聞いてもいません。この無計画な新館建設に50億円をかけてよいものでしょうか?新館を諦めれば名前を売らずに済みます。予算内で実行できる本館改修を早急に行い、身の丈に合った美術館整備を望みます。
スポンサータブーの効力で
表現の自由が侵される
美術館の一企業の占有化でスポンサータブーがのしかかってきます。その現れが12人の著名な作家が美術館問題で市長を激励した異例の事態です。自発的とは思えない権威的な対応は文化にふさわしくない、作家がもっとも望まないところです。これはスポンサータブー以外の何物でもない。スポンサーに媚びへつらい、権力を笠に着たものが美術館を支配するようになったら美術館の死を意味します。企業名を冠することを含めて、こうした対応は作家達を裂き、作家にとって美術館を使いにくい場にする結果を招きます。
コレクション8割が寄贈作品
市民で築いた芸術文化
京都市美術館は長く市民・芸術家に親しまれ京都をはじめ日本の美術文化の発展に寄与してきました。開館以来、地元の作家やその遺族を中心に寄贈された多くの作品が所蔵品の約8割を占めています。企業名の付いた美術館に他の企業の寄付や寄贈作品は集まりません。今回の名前の売却はその寄贈者も知らないうちに決められたものです。
お金さえもらえれば何でも売るのか?
京都市議会で「お金さえもらえれば、市役所でも二条城でも何でも売るのか!」と異論が噴出しました。公立美術館の館名を売った事例は世界中どこにもありません。その上、京セラに宣伝ブースや施設の使用優先権まで付けるという愚行ぶり。いま世界中の美術関係者は京都、そして日本の文化意識を注視しています。世界で初めて「恥」をかくのは京都になるのかと…。
美術館の代替え施設がない
使用料の値上げはやめて
他都市では美術館閉館と共に代替え施設が用意され使用者への配慮がなされています。しかし今回美術館の代替え施設がありません。市民の美術鑑賞や発表の場を3年間取り上げることを許してはなりません。京都市は使用料をここ数年値上げし、その分H27年度、美術館への支出が7500万円も減額されています。京都会館は整備後、値上げを遂行し市民の手を遠ざけています。値上げをさせず作家を育成するという美術館の使命を全うさせましょう。
京都市美術館問題を考える会
http://kyomuseum.exblog.jp/
kyotoshibimondai@gmail.com